古代の宮殿美術 4
金工術の進歩にともなって高温度の窯が作られたからです。
また文様の光沢と付游力とは増強されます。
文様の定型化と技法上の点からしてミケネの盛時である前14世紀から前13世紀は、ミケネ式陶器は装飾にも技巧にも完成期にあるといってよいでしょう。
ついで前13世紀末から前11世紀にかけてはミケネ世界の衰退期です。
この世界における文化の統一性が崩れるとともに、陶器の共通性も破られています。
形や大きさには大した変化はないけれども、文様も装飾法も定型から解放されます。
装飾は時には密に、時には無原則に、また新しい題材がとりあげられて、いくつもの様式が現われます。
次に鐙壷。
高さ243センチ、前13世紀、コペンハーゲン国立博物館。
このタコの大胆な様式化は新奇また奔放でさえあります。
大きな眼をした頭部とそれにつづく袋のような胴、そして8本の脚は前後左右に仲ばしその端は渦巻に終っています。
脚の吸盤はまるで縁飾りのようです。